この記事は、祝~宮本大人先生~御来店記念です。
では・・・


先日、<明治大学・鳥取県連携講座 谷口ジローの味わい方>に行きました。
講義の中で疑問に思ったことがあったので、自分なりに考察しました。

谷口ジロー先生を夏目房之介先生が紹介したときの発言。

「谷口先生は、海外でたくさんの文化賞を受賞されています。
 日本国内よりも海外での評価が高いです。」

夏目先生が原作と作画の関係性について語ったとき。

「漫画における原作とは脚本である。
 それを理解している人間が少ない。」

この発言を深読みすると、

「日本では、作画担当は、原作者より低く見られてしまい、評価が低い。」

・・・だと思います。

私はこの件について深く考えたことはありませんでしたが、
漫画家は、自分で物語を作り、自分で描く、
よって素晴らしいと思っていました。

緻密な絵、映画のような構成で思い浮かぶのは、大友克洋です。
大友作品の多くは、オリジナルストーリーです。
よって評価が高いと思います。

それに対して谷口作品の多くは、原作者がいます。
作画担当は、原作者の下請けと思われてしまう?
よって評価が低いのだと思います。

原作者付き作品は、オリジナル作品より劣るのでしょうか?
それを作った者は、絶対的に評価が低いのでしょうか?

私は、そうは思いませんが、その原因はあると思います。


そこで、漫画と映画を較べてみます。

映画を作るのは、監督です。
映画は大人数で作るものですが、作品出来の最終的な責任は監督にあります。

黒澤明は、とても評価の高い監督です。
素晴らしい作品が多いから当たり前なのですが、
黒澤作品の多くには原作者がいます。
黒澤明オリジナルの創作ではありません。
むしろ原作者っていたの? という印象もあります。
それでも黒澤明の評価は圧倒的です。


原作付き漫画家と原作付き映画監督の違いは何でしょうか?

私は、クレジットが原因だと思います。

映画の場合、映画の最後に長いクレジットがあります。
出演者、原作、脚本、撮影、音楽、衣装、大道具、協賛企業
・・・監督などがはっきりとわかります。

監督ってこれだけの事をまとめているんだ・・・スゴイ!

それに対して、原作付き漫画の場合、本の最後にあるのは、
原作者、漫画家のみです。

漫画を描くのと、映画を作るのは似たような作業があるはずです。
しかし、漫画のクレジットでは、誰が何をしたのかがわかりません。

作品の企画をしたのは誰か? 漫画家? 編集者? 企業?
原作本から脚本を作ったのは誰か? 漫画家? 編集者? 本の原作者?
絵コンテ(下書き)をしたのは誰か? これは漫画家のはず!
枠線を書いたのは誰か? アシスタントのはず!
キャラクターを描いたのは誰か? 漫画家のはずだが・・・?
背景を描いたのは誰か? 漫画家? アシスタント? 最近はPC処理?
スクリーントーンを貼ったり、削ったりしたのは誰か? アシスタント?

以上の事がクレジットからはわかりません。

本日、ブックオフの漫画コーナーに行って、
多くの漫画本のクレジットをチェックしました。

ほとんどの漫画本は、原作者・漫画家のみの表記でした。
ごく一部の漫画本には、アシスタント名、編集者名がありました。
チーム意識のある漫画家は、スタッフとして表記するようです。


んん~~~~、アシスタントの存在ってそんなに軽いの?
大した仕事ではないので、表記する必要が無いの?
それとも存在を隠したいの?

私は、嫌な想像をしてしまいました。

80年代の江口寿史作品には、アシスタントがやたらと登場したな~
アシスタントは嬉しかっただろうな~
ギャグ漫画だから出来たのだろうな・・・


谷口作品は背景がものすごく緻密で繊細です。
谷口ジローは監督として、アシスタントに細かな指示を出し、
それをアシスタントが最高の技で実現していくようです。

<講座 谷口ジローの味わい方>では、そのことがわかったので、
谷口先生の凄さが理解出来ました。

また、谷口作品のアシスタントの技の価値は、
1コマにトーンを貼って、ひと削りするだけで・・・ドンペリ1本!
それくらいの価値があると思います。

谷口ジローは、映画制作に例えたら監督です。
例えるなら、黒澤明なのです。

もし漫画本に詳細なクレジットがあれば、
そのことにもっと早く気づいていたでしょう。

漫画本には、詳細なクレジットをつけるべきです。
そうすれば、漫画家本人の仕事内容が伝わります。
また、アシスタントは、その存在が伝わり、
仕事に対する意欲がわくと思います。
優秀なアシスタントであれば、
他からの仕事の依頼が来るかもしれません。
社会的な地位の向上にもつながると思います。


私の結論は、

「漫画文化向上のため、詳細なクレジット表記せよ!」

・・・です。


以上、大学で講義を受けたら、学生はレポートを書く!
という気分で、この記事を書きました。
提出先は、宮本大人先生です。

長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。



2012.10.03 Wed l 教育 l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://hennsyuutyou.blog24.fc2.com/tb.php/937-bb9528b7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)